概要
AGA(男性型脱毛症)は、男性ホルモンと遺伝が関連した脱毛症のことを指します。
AGAにおける脱毛症では髪の毛の抜け方にパターンがあり、特に頭頂部と前頭部における脱毛症状がみられます。
AGAでは髪の毛が伸びる成長段階の時間が短くなっており、正常よりも早い時間軸のなかで髪の毛が抜けます。
AGAを発症するとまず髪のハリやコシが失われ、うぶ毛のような頼りない毛に変わっていきます。
その後にじわじわと脱毛していくので、進行の過程で気づく方も少なくありません。
生え際ハゲとされる基準は生え際と頭頂線の長さが2cm以内だとAGAだと考えられます。
原因
毛髪にはヘアサイクルという周期があります。通常の毛髪は、休止期、成長期、退行期の3期を繰り返しており、このうち毛髪が大きく成長する成長期は2年から6年ほどあります 。
AGAでは、髪の毛が伸長するべき成長期の期間が正常よりも短くなってしまい、しっかりと髪の毛が伸びる前に伸張反応を止めてしまいます。
その後、退行期、休止期へとうつることから、髪の毛が抜け落ちてしまうことでAGAを発症します。
AGAの発症には、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)が関与しています。
ジヒドロテストステロンの働きが強い状態では、毛髪の伸張反応が抑制されてしまい、結果として脱毛症の発症につながります。
ジヒドロテストステロンは、男性ホルモン受容体と呼ばれる部位にはたらきかけることがわかっており、男性ホルモン受容体は、頭頂部や前頭部の毛髪に多く存在していることから、AGAによる脱毛症状は同部位に起こりやすいです。
症状
AGAによる脱毛症状は、男性ホルモン受容体が広く分布する頭頂部や前頭部にみられます。
両方の領域で脱毛症状がみられることのある一方、いずれかの部位に限局してみられることもあります。
AGAはこの領域における脱毛症状の組み合わせから発症し、脱毛様式にパターンが認められるのが特徴です。そのため、前頭部の髪の生え際がM字型、または頭頂部がO型に薄くなり、その範囲が徐々に広がっていきます。
また、AGAでは、毛髪の成熟がしっかりと得られないうちに脱毛が起こるため、髪の毛の質的な面にも変化がみられるようになります。
具体的には、軟毛と呼ばれる細い毛が全体的に増え、抜け毛の増加や髪全体のボリューム減少につながっていきます。
治療
AGAの治療は各種外用薬や内服薬の使用を基本とし、自家植毛や医薬部外品などの使用も検討されることがあります。AGAで使用されている治療薬の成分はフィナステリド・デュタステリド・ミノキシジルの3種類あります。
一定の効果を示すことが知られており、こうした治療方法を適切に組み合わせながら、治療が行われます。
日本皮膚科学会が発表した「男性型脱毛症ガイドライン」で、プロの精鋭が薄毛治療の効果を5段階で評価しています。
ミノキシジルとフィナステリド(プロペシアの有効成分)または、ディタステリド(ザガーロの有効成分)は、最高評価の推奨度Aです。
(今のところ、Aの評価はミノキシジル・フィナステリド・デュタステリドの3つだけです)
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